ポケットに入るサイズで、SSBまで受信できるラジオというのはなかなか珍しい。Retekess TR110はそんな欲張りな仕様を持つDSPポータブルラジオで、購入から2年半以上経った今も手放せずにいる。
Retekess TR110とはどんなラジオか
FM・MW・SWに加え、SSB(USB/LSB)、エアバンド、VHF/UHF帯まで対応したDSPポータブルラジオ。手のひらに収まるサイズながら1000局のメモリー保存が可能で、充電はUSB Type-C対応と現代的な仕様になっている。
「持ち運び用受信機」と表現するのが一番しっくりくる。重いリグを立ち上げるまでもない場面で、さっとポケットから出してバンドの様子を確認する、そういう使い方にちょうどいい。
無線家がTR110を使う理由
IC-7300のような本格的なリグがあっても、外出中や部屋でちょっと聴きたいだけのときにわざわざリグを起動するのは面倒だ。TR110はそのギャップを埋めてくれる。
実際、購入から2年半以上経過した現在も現役で使っている。普段はFMラジオとして使いつつ、アマチュア無線の周波数やエアバンドをモニターするサブ機として重宝している。
TR110の強み3つ
このサイズでSSBが受信できる
ポケットサイズのラジオでSSB(USB/LSB)が受信できるというのが最大の特徴。SSB受信時はシャトルダイヤルがファインチューニングとして機能し、「東京ボルメット」などの気象放送もしっかりキャッチできる。このサイズからは予想外の受信性能だ。
受信範囲の広さとUBDバンドの活用
FM・短波・エアバンドだけでなく、VHF/UHF帯まで対応している。特に「UBD」というユーザー定義バンド機能を使えば、よく聴くアマチュア無線帯や特定小電力の周波数を登録しておけるので、運用効率がぐっと上がる。特定小電力トランシーバーの周波数を登録して遊ぶのも無線家らしい楽しみ方だ。
DSP技術による細かな設定
DSPデジタル復調技術を採用しており、帯域幅(BW)の調整、9段階のスケルチ(SQ)設定、アンテナ入力の減衰(ATT)制御など、安価なラジオでは触れられないマニアックな設定が用意されている。このあたりは無線家の好奇心を刺激してくれる。
購入前に知っておくべき注意点
中波(MW)の感度は控えめ
地元局以外の遠距離受信を目的とするなら、内蔵アンテナだけでは物足りない場面がある。MW受信がメインの用途には向いていない。
テンキーがなく操作に慣れが必要
周波数の直接入力ができないため、シャトルダイヤルとボタンを組み合わせて周波数を合わせる操作になる。最初は戸惑うが、メモリーを活用すれば日常使いでは気にならなくなる。
スキャンは遅め
広帯域をスキャンするには時間がかかる。よく聴く周波数はあらかじめメモリー登録しておくのが現実的な使い方だ。
個体差に注意
充電不良など初期不良の報告も散見される。購入直後に一通り動作確認しておくのが安心だ。
こんな人におすすめ
外出先でもバンドコンディションが気になるアクティブな無線家のサブ機として最適だ。リグを持ち歩くほどではないが、SSBやV/UHFの様子をポケットに入れておきたい、そういうニーズにぴったりはまる。
また、BCL入門機としても価格面で敷居が低い。セール時には9,000円前後で購入できることもあり、アマチュア無線やエアバンドの世界を気軽に覗いてみたい方にちょうどいい一台だ。
普段は感度の良いFMラジオとして使いつつ、いざとなれば幅広いバンドをモニターできる。その安心感がTR110の一番の魅力かもしれない。
まとめ
Retekess TR110はポケットサイズながら、SSB受信・広帯域カバー・DSP設定という無線家好みの機能を詰め込んだラジオだ。MW感度の低さや操作体系の独自性は割り切りが必要だが、サブ機として割り切って使うなら不満はほとんど出ない。